小人舎が発行する絵本WEBマガジン[コビマグ]

小人くんの千夜百五十冊

第2回 アリスン・マギー「ちいさな あなたへ」

母娘の絆

ちいさなあなたへ

「母と娘」。男の立場から見れば、いい意味で、何か理解の限界を超えた関係性を感じる時がある。「父と息子」とは違った、「父と娘」「母と息子」とも違う、心身ともに「生」を分かち合った絆・・・のようなものではないだろうか。
こんなことを言うと、「母と息子」だって同じことだ、というお叱りを受けそうだが、やはり、それとは全く違う価値観や感覚があるように思う。

考えてみれば、人生なんて、究極のところ、自身の存在と他者との関係を模索し続ける旅のようなものかもしれない。女性にとっては、その過程で結婚(これは男性にとっても同じだが)や出産という神秘と真正面から向き合うことになるのだろう。
「母と娘」という特殊な関係性(あくまでも筆者の主観です)に対する、男性としての立場からの一種の嫉妬なのかもしれない。これは、「父と息子」の関係が羨ましい、という女性がいるが、その感覚に近いような気がする。

自分の「性」では理解することが出来ない「同性の親子の絆」。「父と息子」「母と娘」の関係性の違いに強引に相違点を見出すとすれば、「出産を経験できるか否か」という部分のように思う。
この男女の相違点が、同じ「同性の親子」であっても、差異を生み出しているのであろう。「出産」というテーマが、私にとって、この絵本の「母と娘」の関係に対して憧れを抱かせているのかもしれない。

母から、いずれは母になるであろう娘へ・・・ 旅の道標、地図であり、航海の羅針盤ともなり得る一冊。そんな母娘の絆を、若干、羨ましく思いながら、冬の寒空の下、最後の頁を閉じた。

ちいさな指をかぞえ、その一本一本にキスをしたあの日。あれから幾重にも思い出を積み重ねた日々。旅立ちの朝が来ることは、喜ばしくも、一抹の寂しさがあるのもまた事実。互いの想いを胸に抱き、人生の旅に出る娘へ贈るエール・・・そんな一冊です。


ちいさなあなたへ

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ちいさなあなたへ

ちいさな あなたへ

  • アリスン・マギー (著), ピーター・レイノルズ (イラスト)
  • 主婦の友社
  • 価格:1,050円

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