小人舎が発行する絵本WEBマガジン[コビマグ]

小人くんの千夜百五十冊

第3回 「おかえし」

お前は誰だ!

日本人は、得てして贈り物が好きな民族だな、と思う。考えてみれば、お年賀からはじまり、お歳暮まで、一年中贈り物をしている、と言っても過言ではない。
この絵本の登場人物たちは、「いちご」からはじまり、「たけのこ」やら「花」やら・・・互いの家がてんやわんやの大騒ぎである。現実の世界でこんなことがあったとしたら、ちょっと大変そうである。

おかえし

贈り物でてんやわんやの家族

でも、この光景をよくよく考えてみると、子供の頃に誰もが経験したであろう、堂々巡りの様相を呈しているのである。女の子はどうか分からないが、男の子であれば誰しも、友達と意味のない、ふざけ合いをしていたのではないだろうか。

筆者の経験から言えば、小学校の休憩時間など、前の日の夜にテレビで観た映画のワンシーンを真似て(「お前は誰だ!」というセリフがあった)、

「お前は誰だ!」
「お前は誰だ! という、お前は誰だ!」
「お前は誰だ! という、お前は誰だ! という、お前は誰だ!」
「お前は誰だ! という、お前は誰だ! という、お前は誰だ! という、お前は誰だ!」
「お前は誰だ! という、お前は誰だ! という、お前は誰だ! という、お前は誰だ! という、お前は誰だ!」
「お前は誰だ! という、お前は誰だ! という、お前は誰だ! という、お前は誰だ! という、お前は誰だ! という、お前は誰だ!」

これ以上やると時間の無駄遣いになるので控えるが、このような意味のない、バトルを友達と展開していたものである。まぁ、終わりはいつも「お前は誰だ!」の回数が分からなくなる頃・・・と相場は決まっていたが。
しかし、この堂々巡りの戦いから垣間見える、ある種の滑稽さ。それがこの作品の、えも言われぬ面白さを醸し出しているのではないだろうか。

おかえし

堂々巡りもしくは無限ループ

堂々巡りのループによって、子供心を呼び覚まされたあとは、誰かにプレゼントをあげたい気分になること請け合いだ。斯くいう私も、バレンタインデーの「おかえし」を何にするか、考えるのが楽しく思えてくる今日この頃である。

ある日、たぬきの親子の家の隣に、きつねの親子が引っ越してきました。引っ越しのごあいさつに持っていった、かごいっぱいの「いちご」。激しい「おかえし」合戦の末、遂には、家具や子供まで・・・。 お互いの坊やを連れて、森へいちご摘みに行った、きつねとたぬきの親子が迎える結末とは!?

おかえし

誰かにプレゼントをあげたい気分に

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おかえし

おかえし

  • 村山 桂子 (著), 織茂 恭子 (イラスト)
  • 福音館書店
  • 価格:498円

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